『「日本の経営」を創る』は読むべき

amazonからのレコメンデーションのメールは速攻でゴミ箱行きなのですが、今回は度肝を抜かれました。三枝先生と伊丹先生が『「日本の経営」を創る』として対談をされているではありませんか!


三枝先生:トップメッセージ | 企業方針 | 株主・投資家情報 | 株式会社ミスミグループ本社
伊丹先生:http://most.tus.ac.jp/mot/mod_learns/learns03_detail.php?i=A17406


三枝先生の考えは既著の三部作(特に「V字回復の経営」)が土台となっており、本書では三枝先生の経験や考え方に対して、学者である伊丹先生が客観的な視点で切り込んだり、解説を加えたり、噛み砕いたりしてくれています。もちろんその逆もあり、三枝先生が現場を知り尽くしたうえでの論理を突きつけたりします。


このお二人、当時面識はなかったものの大学の同期生で、三枝先生がスタンフォードに留学している際には若かりし伊丹先生がスタンフォードで教鞭をとっていたという浅からぬ縁があります(授業はとらなかったそうですが)。一橋大学でのMBA教育や社会人教育の講師として三枝先生を招聘したのも伊丹先生だそうです。


深い顔見知り同士であるにもかかわらず、この書籍では緊張感を感じさせます。それは経営者と学者という立場の違いもあるでしょうが、お互いを認めあいながらもなにか反目したがるような感覚を読んでいて感じます。


でも、まだ4分の1くらいまでしか読めていません。読み応えありすぎで何十回と繰り返し読んで、自分が接する現実と当てはめて考え続けなければ理解できそうにありません。そりゃお二人の経験と頭の中を咀嚼するのは簡単ではありませんが。


途中ではありますが、熱き心と冷静な頭で仕事をする人、組織や会社のあり方に悩む人、業績の横ばいに疑問をもつ人には必携の書籍だと断言します。三枝三部作を読む前の導入としても、三部作を読み込んだ後のまとめとしてもお勧めできる書籍です。私、2冊以上買っちゃうかも。


あっ、こういう書籍を読む時には、これの悪い点はなにか、これ以外の論理はなにか、このはしごが外されるとどうなるか、これを改良するにはなどと考えながら読むことも必要だと先輩に言われたことがあるということを付け加えておきます。

「日本の経営」を創る
三枝 匡 伊丹 敬之
日本経済新聞出版社
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おすすめ度の平均: 5.0
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