マネジャーの役割

新卒で入った会社で、上司に「人事は好き嫌いだよ」と言われて以来、チームやプロジェクトのリーダーになることは一生無いなと思って15年。
望む望まないに関わらず、実際の職位に関わらず、一応年齢高めの人がマネジャーとしての能力を持ちあわせていないと、「おっさん使えねーな」って言われちゃう被害妄想に取りつかれています。


一応、組織デザインは学んできましたが、人生で初めて人事に関わる本を読もうと丸善へ。よほど「もしドラ」を買おうかと思いましたが、ふと目に入ったので購入。部長の資格 アセスメントから見たマネジメント能力の正体 (講談社現代新書)

この本で書いてあったことと、私の経験と考えをいれて、まとめてみた。マネジャーになるときの心構えにしようと思っとります。


プレーヤー(マネジされる側)の目標(働く意味)

組織の成員は次の3点を目指して業務をおこなっている。

  • 所定の仕事を適切かつ効果的に推進し、成果をあげること
  • 新しいビジネス・モデルを具現化すること
  • 仕事を通じて能力を開発し、発展させること


マネジャーの役割

上記を適切にマネジし、組織の力を引き上げてパフォーマンスを最大限に発揮するために、マネジャーは、成果達成と改革、人材育成の役割を果たす必要があると考えられる。

  • 成果達成役割

部署に課せられたミッションを遂行(実行責任)し、成果目標を達成(成果責任)すること。

そのためには、自らの役割を考え、目的達成のために取り組むべき課題を見つけ、さらにその効果的な達成方法を明らかにすることが必要である。事実関係や実態把握を正しくおこない、的確に分析し、問題とその原因を構造的に把握し、仮説をつくり、効果的な解決策をつくる。さらに、対策を計画として立案し、実行して成果につなげる必要がある。

この一連の役割には、実態把握力、環境認識力、問題分析力、判断力、決断力、構想力、ビジョン構築力、戦略設計力、計画力、組織力、権限委譲、プロセス管理力などの能力が求められる。

  • 改革役割

現場に近い立場とマネジメントの立場の両方の視点から、環境変化に応じて改革のイニシアチブをとること。
そのためには、現状を超えた斬新な将来像を描くことや、それを実現する戦略を構築する能力が要求される。そこでは、過去、現在を構造的に把握する分析力、将来に対する洞察力(論理的予測力)および、自分は何を大事にし、現状をどう変えて、チームをどう動かし、どんな理想を実現したいのかという主観的な思い、これらを統合する構想力が欠かせない。
改革を構想して実行するには、洞察力(論理的予測力)、独自性、創造力、アイディア性、革新力、計画力、組織力経営資源配賦力、業務管理力などが求められる。

  • 人材育成役割

今日の仕事の生産性を高め、明日の組織を支える人材を確保すること。

そのためには、短期/長期の視点で、どんな仕事を誰に任せるかを適切に割り振らなければならない。チームで取り組む仕事には役割分担や共同作業が欠かせず、いかに効果的にマネジメントしていくか、それを次の仕事の付加価値創造のエネルギー源にしていくかをデザインする必要がある。社員の個々の特性を生かして、個人目標を仕事の目標としてひとつにまとめなければならない。

この人材育成役割には、対人観察力、コミュニケーション力、チームワーク、人材育成力、コーチング力、感受性、交渉力、説得力、文書コミュニケーション力などの能力が求められる。


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