ガムガリバーたる所以

昨日、ガムの早食いを見ました。


電車の中で女子高生Aが「ガムあげる—」と友達にガムのケースを差し出していました。言われた女子高生Bは「ありがとう♪」と言いながらさっと箱からガムを取り出し、包装紙をはがす仕草もなく、いとも簡単に口へ運ぶではありませんか。


あまりの早業に凝視してしまったところ、幸いにもガムオーナーの女子高生Aがその早業を再現してくれました。なんと包装紙の上部20%あたりにミシン目が入っていて、その部分が箱に糊付けされているようで、引っ張ると上部20%がはがれた状態で取り出せるのです。これならいちいち包装紙からはがす手間がなくなるし、箱の中でバラバラすることがない。


いつもはリカルデントしか買わない私が早速買いましたよロッテのFit'sを。プロモーションだけがユニークなのかと思っていたら、こんな仕掛けがあるとは。一瞬、いたずら パッチン ガム の再来かと思ったのですが、ロッテのすごさがじわじわ伝わってきました。


別にガムの包装紙をはがすくらいは手間じゃないだろうと思いがちですが、どんな細かいことでも少しでも顧客が不満に感じることがあるのならば改善してやろうという熱意をメラメラと感じます。
ガムの味そのものや長持ちするガム、板から粒などガムそのものの品質の改善に注力しがちですが、こういうところにも目を配れて実現できるところがすごい。しかもガムは包んであって剥がして食べるものという固定概念にとらわれない。
この包装紙を採用すると製造コストが上がりそうですが、その反対を抑えつけるほどの顧客志向と製造技術の高さ。すごい。


ロッテ、ちょっと古いですが、ガム市場でシェア63%だそうです(2002年全日本菓子協会発表)。この強さだからガリバーなのだろうなと感心しました。しかもその地位に驕らず、カリバーだからこそできるともいえる細かい改善を続けられる。市場の声を商品開発にきっちり生かせる仕組みを解明できたらなぁ。