大きく、未来を、論理的に考えて、切り捨てて集中する
先日、友人(と呼ばせてもらいます)と「"戦略的に思考する"ことは訓練できるか」という話をしました。その際は目の前にあるさまざまな現象に興味を向けて、それがなぜ起きているのか、これからどうなるかなど論理的な妄想をすることで訓練できるかもと答えましたが、沼上先生がきちんと示されていることを思い出しました。
名著中の名著、わかりやすいマーケティング戦略 (有斐閣アルマ)(旧版)には、戦略的に思考するための4つのスタンスが示されています。
1. 大きく考える
さまざまな他者との関係のなかで、事象や自分の仕事をあたかも観客として眺めるようなスタンス。自分の目の前の仕事ばかりに目を奪われるのではない、鳥の視点。
2. 未来を考えようとする
未来のどこまでが本当に予見できて、どこからは本当に予見できないことかはっきりさせる。時間を通じた変化を理解することで、予見できることが多くなったり、予期していない事態に柔軟に対処できるようになる。
3. 論理的に考える
組織で仕事をし、長期にわたってせいかを蓄積していくには論理的に考えるクセが必要。苦労の蓄積を意味あるものにするには論理にもとづいて行動する必要がある。経験や信念だけでは変化に対応できない。
4. 集中する=切り捨てる
すべてを行うにはひとりの人間では資源が限られる。メリハリをつけて仕事をすることが大切で、真剣に考え抜いて捨てるものは捨て、残したものに集中する。人は切り捨てる必要があるからこそ考える。
大きく、未来を、論理的に考えて、切り捨てて集中する。これに基づけば訓練されることでしょう。一朝一夕にはいかないと思いますが、あと数十年は頑張ります。
※わかりやすいマーケティング戦略 (有斐閣アルマ)は新版も発売されています。新版の方が事例が新しくなっているようですが、読んだことがないので思考のスタンスなどが載っているかどうか不明です。旧版か新版か内容を立ち読みなどでご確認のうえ、お買い求めください。
旧版