ドトール鳥羽会長の「私の履歴書」盛り上がってまいりました

今日2月17日の日経最終面「私の履歴書」は、現在のドトールが生まれる契機となった回でした。


欧州の喫茶業の勉強ツアーに参加した鳥羽会長はフランスで地下鉄の出口から出てきたサラリーマンが喫茶店で立ったままコーヒーを飲んでいるのをみて、「これだ!」と将来を予見したそうです。また、欧州最大のコーヒーショップチェーンを見に行ったものの定休日で、額を押し付けて中を観察しまくると、挽き売りコーヒーを目のあたりにする。ここでもヒントを得ます。

これがドトールを形づくっていくと思うとワクワクします。


文字にするとサラッと書かれていますが、鳥羽会長はハンマーで頭を殴られたくらいの衝撃を受けたんでしょうね。

読み終わった後に「必然が偶然をつかまえる」という言葉を思い出しました。「経営戦略の論理」にあったと記憶しています。(読み直して訂正するかもしれません)。決して変な世界の話ではありません(笑)


「必然が偶然をつかまえる」の例でいつも挙げられるのは、ノーベル賞をもらった島津製作所の田中さんです。偶然に溶液が混ざってしまったけど、捨てずに使ってみたら新たな発見があったという。溶液をムダにする習慣のある会社であればさっさと捨てられていたし、そんなもので実験装置を稼働させるなという厳しい締め付けがあってもダメだった。きっとこの発見を生むための環境が整っていたから、偶然をつかまえることができたのです。


鳥羽会長は偶然にこれらの光景を目にしたのではなく、喫茶店業のヒントを探しまくっていて、頭の中が喫茶業で埋まっているからその光景をヒントにできた。さかのぼると、勉強ツアーに参加して、なにごとも吸収しようとする姿勢をもち、それを後押しする会社の体勢もあった。「社長が約1ヶ月いなくても私たちががんばります。いっぱい吸収してきてね」という従業員がいたはずです。


偶然を偶然で終わらせない受け皿づくり、相当難しそうですが、頭をひとつのことで埋めることを許すことはできそうです。

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