薄型テレビ撤退の先駆けとなるパイオニア

イオニアが決断しました。

イオニアは12日、プラズマテレビを主体とするディスプレー事業から2010年3月までに撤退すると正式発表した。自社開発を中止し、静岡県袋井市の工場も生産を終了する。事業の見直しに伴い、10年3月をメドに連結従業員の約16%に相当する6000人を削減するほか、非正規社員も4000人程度減らす方針だ。
 パイオニアは同日、09年3月期の連結最終損益(日本会計基準)が1300億円の赤字になりそうだと発表した。従来予想(米国会計基準)は780億円の赤字だった。不振のテレビ事業に加え、カーナビゲーションシステムなど車載機器の販売低迷が響く。

パイオニア、1万人削減 ディスプレー事業から10年3月までに撤退(NIKKEI NET)

2008年10月末に転がり落ちるパイオニア - 戦略のみそ zentaku blogと社長交代に関するエントリーをしまして、大赤字の元凶のホームエレクトロニクス部門から社長を出して、自らの部門を切れるのか?と疑問を呈しましたが、今回は自らが率いた部門だからこそ「勝てないことを明確に認識できた」のでしょうか。


下の業績を見ても、ホームエレクトロニクス部門の業績が悪化し始めたのは2003年。5年間も巨額な赤字を出し続け、撤退の決断は遅きに失した感が否めません。決断できずにズルズル来たように見えますが、小谷新社長は自らの責任を感じて最後にお尻を拭いたのでしょう。


さて、PDP撤退後のパイオニア。撤退によって出血は止まったとしても、売上高の多くを失うことになります。しかも、いままで屋台骨を支えてきたカーエレクトロニクス部門も大赤字の予想。。。PDPの撤退と同時に成長のための戦略が描けるのか、注目したいと思います。


もう一点、私が気になること。大画面テレビ、PDPはほぼPanasonicの1社に絞られたことになります。液晶よりもプラズマを買いたい私としては困ったことになっています。過剰企業数の淘汰のデメリットを実感しています。