手仕事の良さから世界を見直すと

先週の金曜日(2/6)は更新を落としてしまいました。うぅ。
ブログをかく余裕もないのに、昨日、上野の東京都美術館に「生活と芸術—アーツ&クラフツ展」を見に行ってきました。

asahi.com : 朝日新聞社 -「生活と芸術―アーツ&クラフツ展」


内容をサイトから抜粋すると次の通りです。

19世紀後半のイギリスで興り、今日の暮らしに大きな影響を与えたデザイン運動「アーツ&クラフツ」。産業化・工業化が進む時代を背景に、失われた手仕事の良さを見直し、自然や伝統に美を再発見します。さらには過剰な装飾ではなく、シンプルな美しさをとり入れたライフスタイルを提案するなど、実に多彩な理想を掲げました。
(中略)
アーツ&クラフツの考えと試みは、出版や研究を通じて、瞬く間にヨーロッパやアメリカ、日本にも伝わります。各地での歴史、文化、社会情勢の影響を受けながら、多種多様な作品が生み出されていきました。住宅を中心とする総合芸術の探究は、その後のモダン・デザインを生む源流の一つとなりました。


アートに関する審美眼を持ち合わせていないので、さまざまな解説を読んでばかりでした(笑)「産業化・工業化が進む時代を背景に、失われた手仕事の良さを見直す」という運動の展示会が、2009年のこの時期に重なったというのは、何か意味があるような気がして。止まると死んでしまう魚のように工業化を進め、ドッグイヤーを合い言葉にあらゆる分野で最先端を行こうとしてきた世界ですが、何か置き去りにしてしまったものがあるのではないかと。


私は決して工業化やIT化を否定しません。それが、先を求めようとする人類の性なのでしょうから。私もその恩恵の上に生活しています。しかし、進んでいくにつれて捨てられるものがあるというのは、なんだか残念です。


いままでオイルショックや東西冷戦の終結などをきっかけに世界はいろいろな軌道修正をしてきました。今回の金融危機を発端とした経済問題でもいろいろな軌道修正がおきて、世界全体として良い方向に進んで欲しいなと。そこにどのように寄与するか考えさせられた展示でした。