化粧品のライター理論

先日、資生堂マキアージュはアジア全体のブランドとして売っていくというニュースに絡んで、"「日本人みたいに可愛くなりたいの」は昔の話?" のエントリーをして以来、化粧に目覚め(笑)、今日は中国化粧品事情に関するレポートを見つけました。↓

大連の化粧品事情 〜メイド・イン・ジャパンの参入可能性〜(PDF)ふくおかフィナンシャルグループ


要点を抜き出すと次の通りだそうです。

・中国の化粧品市場はすでに世界第8位、アジアでは日本に次ぐ第2位の規模。市場規模は毎年15%以上の伸び。
・2010年に中国の化粧品市場は約20億米ドル(約2兆円)まで拡大し、日本と並ぶ市場規模になると予測。
・中国においても「メイド・イン・ジャパン=安全で高品質」が定着しており、資生堂カネボウ等の日系メーカーの人気は非常に高い。
・07年の中国化粧品販売ベスト10は、すべて外資ブランドが独占。
・「資生堂」の場合、中国進出当初は、富裕層をターゲットとして人口の2%のシェア獲得を目標に。
・中国進出については、ハイエンド商品にするかローエンド商品にするかを決定する必要がある。
・最近、中国商社が、日本の中小化粧品メーカーに対して積極的にアプローチを行っている。
・今後も拡大が見込まれる中国の化粧品市場において、日本の化粧品は十分に競争力をもって戦えるのではないか。


気になったのは、「ハイエンド商品にするかローエンド商品にするかの決定」でしょうか。ターゲットや価格帯を中途半端なものではなく、エッジを聞かせて振り子をどちらかに振るというのがマーケティングの定石で、中国ビジネスにおいては特に「ライター理論」として語られます。中国では100円ライターか超高級ライターしか売れないという話。

ライター理論についてはこちら→『「現場」学者 中国を行く』関 満博 (著) 日本経済新聞社 (2003/04)


確かにライター理論はマーケティングの定石でその通りだと思うのです。しかし、中国のような巨大市場では中間の市場もかなりでかいと思われるので、そこをとりにいくことができるのではないかと思ったのです。


日本のように目の肥えた消費者がたくさんいる、成熟した市場ではどちらか一方に振らないといけないでしょうが、中国ではそんなに振り切らなくても全方位外交でいけるのではないかと、勝手に推測してしまいました。でも、中国に入り浸る現場学者が言うのだから、ライター理論が正しいのでしょう。ビールとかどうなっているのでしょうかね。。。