大きな安心を与える買収のために

東洋電機製造の買収を提案している日本電産、その2社間のやりとりが公開されました。

http://www.nidec.co.jp/news/news.html


3度質問と回答が往復しているのですが、買収を提案された側の疑心や不安が盛りだくさんです。買収する側にとっては提案時の安心を与えるためのヒントが盛りだくさんの内容となっています。これは今後過剰企業数が淘汰されていくであろう環境で買収側も被買収側も深く分析しておくべきケースでしょう。(永守社長はケースをつくるつもりでやっているはずですが)


東洋電機側は「嫌だ」という雰囲気を出しまくりで、実際に労働組合が反対意思を表明しました。
日本電産株式会社による資本・業務提携提案に対する当社労働組合からの反対意思表明文受領のお知らせ(PDF)
残念ですが、今回は統合なしでしょう。


やっぱり日本では事前の根回しを徹底的にするか、相手が死にかけていないと成功しないのでしょう。日本企業は正論よりも感情の企業論です。


それにしても東洋電機の組合は自社に誇りをもっているといいながら、なぜ自社の成長機会に背を向けるのでしょうか。しかも業績の目標未達を棚に上げて。なぜワークライフバランスや公正な分配など主張し、自省することなしに権利ばかり求めるのでしょうか。なぜ自社を愛する誇りを持ちながら、長く労働することを拒むのでしょうか。


日本企業の強みのひとつは労働力を集結させること(死ぬほど働くこと)であるので、これを拒むということは長期的に雇用の維持も公正な分配もできなくなる可能性が高まる。自分の生存のために自分で首を絞める労組になっていることに気付いて欲しい。