プライシングの迷走 

先日スターバックスが値上げをして、その結果客数が目標未達となり減益というニュースを見たような気がするのですが(ソースが行方不明、後ほど)、環境が悪化している時の値上げって良いことがないと思うんです。


今朝の日経ではフィットネスクラブも値上げするとのことですが、環境が悪化して支出が絞られる可能性のある業界こそ値下げをして、「抑制する支出」の対象にならない方がいいのではないでしょうか。旅行や贅沢な食事を抑えた分の支出を「身近でできる運動」に振り向けてもらうことができると思います。。値上げではかえって足を遠ざけさせ、業績はさらに悪化すると思うのですが。

 フィットネスクラブで値上げの動きが広がってきた。最大手のコナミスポーツ&ライフ(東京・港)は12月から首都圏の店舗を中心に月会費を再び上げる。4位のティップネス(東京・千代田)もこのほど月会費を約3%上げた。電気料金上昇や会員数の伸び悩みで収益が悪化しているため。消費者の節約志向が強まる中、フィットネス離れが進む可能性もある。
 大手の大半は1—6月に値上げしている。このうちコナミスポーツ&ライフは3月に実施しており、今回さらに月会費を平均3%強上げる。首都圏では店舗の半分強に当たる約50店が対象。一部店舗では、今年の値上げ幅は合計で8%になる。

フィットネス、値上げ広がる(NIKKEI NET)


値下げは消費者の内的参照価格を下げさせ、「このくらいの価値なのか」と思われる危険があり、のちのちの値上げが難しくなるというデメリットがひとつありますが、フィットネスクラブのような導入に心理的ハードルがあるサービスこそ、その垣根を低くしてユーザーを増やすべきでしょう。利用してもらえばフィットネスクラブの有用性や継続の重要性に気付くきっかけともなり、値上げも可能になるかもしれません。

しかも、フィットネスクラブは場所と設備は必須、会員減によって資源を眠らせるよりも少しでも稼働率を上げた方がいいと思います。


値上げは企業業績を改善させるためには短期に成果が見えて、有効な手だとは思います。が、それだけに副作用も大きいはず。チョット長い目で見て、値上げが最善の策なのか考えるべきでしょう。