カリスマの大量生産という矛盾 ナルミヤ

数年前にミニモニとともに一世を風靡したナルミヤ・インターナショナル。ここ最近業績が悪くて、希望退職を募集したりしていたのは知っていましたが、ここまで業績が悪いとは。しかも、SBIが入っちゃってるんですね。どうなることやら。


っていうか、9月末に中国進出のリリースを出しているのに、見向きもされなかった凋落が悲しい。10月23日の日経から。

 子供服大手のナルミヤ・インターナショナルは中国に進出する。上海市の百貨店内に1号店をこのほど出店し、来年2月をメドに販売・生産管理の現地法人を設立する。日本の子供服市場は少子化で縮小傾向が続くなか、中国の沿岸部の百貨店内に出店し、富裕層の需要を取り込む。同社は2014年1月期に前期比2割増となる300億円の売上高を見込んでおり、このうち30億円を中国で稼ぐ計画だ。
 今月6日、上海市の高級百貨店「上海久光百貨店」に、基幹ブランド「メゾピアノ」を扱う1号店を開設した。売り場面積は約30平方メートル。品ぞろえは子供向けの衣料品が8割、雑貨が2割を占める。価格帯は日本円換算でTシャツが約9500円、フォーマルワンピースが約2万4000円など日本より2割高い。

ナルミヤが中国進出 子供服、上海に1号店(NIKKEI NET)


ナルミヤの中国攻略、大枠の戦略では定石のように見えます。しかし、中国ではどのように商品を売っていくのか、実行レベルの戦略がどのように行われるのかが気になります。それによっては思ったような成果はあげられないかもしれません。


ナルミヤが2000年代前半に急激に注目され業績を伸ばしたのは、ミニモニ。という手に届かないあこがれのカリスマと、お店に行けば可愛い格好をした店員さんという手の届くカリスマを併せて配置して、テレビ、雑誌、109、店頭というメディアミックスを巧みに行ったことにあります。


中国でミニモニ。のようなカリスマを押し立てて、さらにメディアミックスを行うことができるのでしょうか?私には難しいように思えます。


中国ではただ存在するだけで売上げはあげられるかもしれませんが、日本のような爆発的なブームを生むことはないでしょう。しかも、メディアによって急速に売れたメーカーは根本的な商品開発力が弱い場合が多い。なぜなら商品性や品質が評価された訳ではなく、下駄を履かされていたようなものだからです。身売りしようにも他社から見て魅力的なコンピタンスはナルミヤにはないように思えます。


ここの社員を何人か観察したことありますが、みんなキッズだと感じました。「経営」は行われてこなかったんでしょうね。


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