ドコモのためのビジネスシステムから脱却したいの

ソニー・エリクソンがドコモ向け端末供給中止と報道されたものの、「ドコモ向け端末の供給を取り止める計画はない。16日に発表されたHSUPA対応の携帯電話プラットフォームの共同開発には確かに参画していないが、当社ではそれ以外のマルチプラットフォームを採用している。今後もドコモ向け端末の開発は継続していく」と否定したという。


ソニー・エリクソン、ドコモ向け端末供給中止(NIKKEI NET)
ソニー・エリクソン、「ドコモ向け供給中止」報道を否定(ケータイWatch)


今後も続けるとは言うものの、もう「さっさと抜けさせてくれよ!」というのがソニエリの本音でしょう。きっと。


日本の携帯端末ビジネスはキャリアの下請けとして端末を設計・生産し、利益はキャリアに集中させたうえで端末メーカーに分配するという、キャリア主導のビジネスシステムが構築されているようです。端末メーカーの顧客はキャリアであり、消費者でなくなるため、市場との接点はキャリアがもつことになり、キャリアの言う通りの製品開発しか行えていません。


しかも、このキャリア主導の携帯端末ビジネスは、通信方式の違いでほぼ日本国内でしか通用しない方式となってしまっており、狭い日本だけでキャリアがしのぎを削っています。


しかし、世界に目を転じるとノキアやサムソンなどは、中国やインドなど世界中で大きなビジネスをしていて、そのなかで日本の端末メーカーのシェアは微々たるもの。指をくわえて見ている状態です。
携帯電話:Samsungが2位に上昇 2007年の世界シェア(WIRED VISION)


成長の止まった日本市場でキャリアに頭を抑えられたビジネスをするよりも、グローバル市場をとりにいきたいと、端末メーカー各社は思っているはずでしょう。しかし、日本のキャリアの機嫌を損ねる訳にもいかず、もんもんと資源を浪費している環境にあります。


これはメーカーが連合してキャリアに新しいビジネスモデルに転換できるようお膳立てするしかないんじゃないでしょうか。端末メーカーが端末を企画して、マーケティングして消費者に販売していく。キャリアは通信費で稼ぐという、世界では標準的なモデルに転換すべきでしょう。


ドコモも自社の末期的な状況を感じているはずなので、時期をにらんでいるということなんでしょうかね。早くしないと、産業全体自体が沈没するような気がするんですが、賢い人たちばかりなので、大丈夫かも??

参考文献

企業戦略白書〈6〉日本企業の戦略分析:2006
伊丹 敬之 一橋MBA戦略ワークショップ
東洋経済新報社
売り上げランキング: 140268