携帯電話を捨てたい

東芝は携帯の国内生産をやめるそうで。

東芝20日、携帯電話機の国内生産を今年10月に終了し、海外のEMS(電子機器の受託製造サービス)に製造を委託すると発表した。国内市場の縮小に伴い生産体制を見直す。

携帯電話を生産している日野工場(東京都日野市)は、設計・開発や製造委託先での新機種生産立ち上げ支援などの業務拠点とする。

東芝が携帯電話の国内生産停止、海外企業に委託(ロイター)


東芝の思惑はどんなところにあるのでしょうか。企業の打ち手の裏にある、考えられそうなパターンをダラダラと挙げてみると。


1. 生産コストが下がった分、研究開発やマーケティング、販促に資金を回し、捲土重来を狙う?
2. 環境が悪い時には身を縮めておいて、需要が増加した時に備えて、細々と頑張る?
3. 日本を捨てて、海外の需要を取り込むという海外進出を本格化させるために、海外製造拠点を鍛える?
4. 携帯電話事業撤退の第一歩?


今回の東芝の意思決定は4の「携帯電話事業撤退の布石」だと私は見込んでいます。

日本の携帯電話産業はキャリアが牛耳っており、端末メーカーの開発力やマーケティング力は培ってこられず、収益もキャリアのご機嫌に依るところが大きいと言われています。東芝は縮小する日本の携帯電話市場でこれ以上頑張っても儲けは大きくならず、しかも言いなりでは未来がないと思っているのではないでしょうか。そして原子力やインフラなどに関連する社会・産業用製品の事業分野に集中する。過去との付き合いで携帯電話製造終了とは急に言い出せないので、徐々に縮小ムードを醸し出しているのではないかと。


(1:日本で捲土重来はない、2:ものづくり力、開発力が落ちて復活できない、3:製造力を鍛えるほどの投資でない)


それにしても日本の携帯電話製造メーカーが苦しんでいます。東芝しかり、(三菱)、ソニエリしかり。携帯電話にまつわるビジネスシステムをつくり変えないと、なんか破壊的な概念で産業がひっくり返るような気がしております。