ガバナンスの効かせ方を考えさせられる 製薬会社のマネジメント
骨髄バンクに登録して7年以上経つがいまだにお呼びがかからない。誰かのために早く役立ってくれれば良いと思うのだが、適合したとしても手術ができなくなる可能性があるという。
国内の骨髄移植の9割以上で利用されている米バクスター社製の医療器具が在庫不足となり、来年2月以降の移植が一時的に難しくなる可能性が出ていることが19日、わかった。
骨髄移植、2月以降困難に 医療器具が在庫不足(2008年12月20日 読売新聞)
新工場の稼働開始の遅れが原因。毎月百数十件ずつ実施されている国内の骨髄移植手術に支障が出る恐れもあるため、厚生労働省は22日、器具を輸入・販売する日本法人「バクスター」(東京都中央区)の担当者を呼び、調査に乗り出す。
問題になっているのは、骨髄液の採取、濾過(ろか)に使う器具で、骨髄を移植された患者に血栓ができるのを防ぐのに欠かせない。
米バクスター社は、この器具の製造部門を昨年3月、投資グループに売却し、米国内の工場も閉鎖。日本法人は在庫が切れる来年1月末以降、器具の製造を引き継いだ別会社の中米ドミニカ工場から輸入する予定だったが、品質・安全確認の遅れで、工場の稼働開始が3月以降にずれ込み、供給が途切れる見通しになった。
製薬会社のマネジメントに明るくないので間違っているかもしれないが、違和感を感じた部分が2点ある。
ひとつは、「国内の骨髄移植の9割以上で利用されている米バクスター社製の医療器具」って、シェア高すぎないか?
医療機関では並行購買しないのだろうか。並行購買しない理由は、バクスターが特許なりを持っていて独占的にこの医療器具を販売できているか、もしくはバクスターに購買を集中することによって仕入れコストを下げようとしているからなのか?いずれにしろ依存度が高すぎるのは問題だと感じる。
ふたつ目は、「米バクスター社は、この器具の製造部門を昨年3月、投資グループに売却し、米国内の工場も閉鎖」。この背景は何なのだろう?厚生労働省や医療機関はこんなことを許していいのか?製薬会社の一民間企業であるから事業売却しようが事業撤退だろうが口を挟むべきではないが、クライアント側がコントロールする余地はなかったのか?命を人質に取ることのできる企業のマネジメントと一般企業のマネジメントが同一に議論されて良いのか?
経済に与える影響という面を除けば、アメリカのビッグ3はどうぞ破綻してくださいと思えるが、製薬会社でこれはあかんと思うのです。
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