破壊的技術を見つめるコンタクトレンズ

私がたまに読みにいくブログのいくつかでも「レーシックやってみた」という人を見るようになりました。レーシック、以前はスポーツ選手や小金持ちのためものだったのが、いまでは庶民の手に届くようになり、普及を早めていそうです(統計がないので、感覚)。2年前は50万円以上していた施術費用がいまでは15万円とか10万円を切るところも出ています。


レーシックの普及で一番困るのがコンタクトレンズメーカーだと思います。みんな目が良くなっちゃうんですから。眼鏡はお洒落要素が無くならないし、コンタクトをしない人はレーシックもしない傾向が強いと思われます。


コンタクトレンズメーカーは非上場がほとんどのなかで、JASDAQに公開しているシードの業績を見てみます。予想通りの苦戦です。2007年度は不具合による製品自主回収等の押し下げ要因があったとしても、2008年度の売上高は130億円と予想されており、厳しい状態が続きます。

日本のコンタクトレンズメーカーが苦戦しているのにはジョンソン・エンド・ジョンソンの独壇場という理由の他にレーシックも関係していると考えています。普及とともに施術費用はもっと下がり、技術も向上し安全性も確保されていくでしょう。経年後の結果報告も蓄積されてくると、レーシックそのものの存在が否定されない限り、さらに広まっていく可能性があります。破壊的技術に直面したとき、メニコンやシードといった国内コンタクトレンズメーカーはどう生き残っていくのでしょうか。


レーシックと競合しない市場にポジショニングを移す?→市場は小さくなる
医療機器製造などにシフトしてレーシック業界と寄り添う?←その技術を持ち合わせるか


いろいろ考えることはありそうで、破壊的技術に直面する産業のケーススタディとして、頭の訓練になります。