西武優勝にみるV字回復のための3ポイント

私は、工藤や秋山、デストラーデ時代の西武しか見たことがないと言っても良いほどですが、昨年のBクラスからの鮮やかな優勝は眼を見張るものがあります。


断片的な情報から推測するに、この西武の優勝からのインプリケーションは3つあるような気がします。

  • 現場の活気、元気

西武の選手は若手で、自分の意志で活発に動き回るという印象をもちました。上司の指示を待ってすくんでいるのではなく、自分が良いと思ったものを積極的にチャレンジする。西武の選手はイキイキしているのがよくわかりました。


企業でも現場の人たちがイキイキと積極的に動いて、リスクを取ったり新しいアイディアをうみだし続けるような元気さがあると、沈んだ組織と比較して成果が全く異なるものになると思います。

  • 戦略による束ね

現場がやたら元気なのは良いことですが、それでは個別最適に陥ったり、遠心力が働きすぎて組織が崩壊する可能性があります。組織のベクトルを合わせ、個別最適と全体最適のバランスを図るためにも必要なのが「戦略」です。元気な現場をどのように働かせるかを規定して、求心力を持つ「勝つためのシナリオ」によって、組織を束ねます。


野球における戦略がどのようなものかはわかりませんが、西武だと1点の大切さ、犠打の大切さなどがそうなのでしょうか。

  • 場を整えるトップ

戦略を示し、現場の元気さを引き出し、チャレンジさせ続けたのはトップがそういう環境を整えたことにあるからでしょう。若手の登用、失敗することの重要性の提示、コミュニケーション不全の解消など、トップが現場の人が動きやすい環境を整えたのだと思います。それによって現場の力を引き出す。


スター選手はおらず、外人の補強ものぞめない。そのような環境で持ちうる戦力に最大限の能力を発揮させるためにはどうすれば良いか、トップは必死で考えたのでしょう。俺が俺がと出しゃばるトップが多い中で、選手本意で場を整えた自律力に感服いたします。


元気を失いそうな環境にある日本企業には、西武の優勝を糧にして、成長性を失って欲しくないものです。