トヨタの下方修正はアメリカバブルの浮利が飛んだだけ。と思いたい

トヨタの業績予想の下方修正が「トヨタショック」として各方面に衝撃を与えているようです。金額の大きさが強調されてサプライズを増幅させているように見えます。

トヨタ、今期営業益7割減 1兆円下方修正(NIKKEI NET)
 トヨタ自動車は6日、2008年4—9月期連結決算(米国会計基準)の発表とあわせて09年3月期の業績見通しを下方修正した。本業の稼ぎを示す営業利益は前期比74%減の6000億円と従来予想を1兆円下回る。金融危機が波及し、北米や欧州など先進国を中心に自動車販売が減少。収益計画を立てる際の想定為替レートを円高に見直した影響も大きい。ホンダ、日産自動車なども今期は大幅減益。企業収益を引っ張ってきた自動車大手の急減速は、世界景気後退に沈む日本の製造業の苦境を象徴する。
 業績悪化が鮮明になったのは7—9月期。主戦場の北米地域と欧州が営業赤字に陥り、全面改良した「カローラ」などが好調だったアジアで販売台数、利益を伸ばしたものの補えなかった。


トヨタの売上高の推移をみると、2005年度以降の売上高の伸び率が高いなという気がします。8%前後を超える部分はアメリカのバブルの浮利だったと思えば良いのではないでしょうか。今回の予想売上高の減少は泡の部分を削っただけのような気がします。アメリカでバブルのように売れてしまっていたのが、正常の売上げに戻ったと、私は理解しています。(はい。トヨタに関しては楽観主義)

トヨタの各年度有価証券報告書より作成)


また、トヨタの決算説明会の資料(PDF)を見ると、決して暗い話題ばかりでないことに気付きます。


世界での連結販売台数、欧米では減少しているものの、アジアやその他の地域(中南米、アフリカなど)では増加していることです。
            


アジアや新興国で今後もさらに販売台数を増やしていけるのであれば、トヨタの業績を悲観することはないと思います。トヨタほどであれば着々と新興国での拡大戦略を描いて実行することと思っています。新興国に戦略のベクトルシフトを強化するきっかけになるのではないでしょうか。


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